3.CGの作成
3−1.CGとは
 CG(Computer Graphics)とは、本来コンピュータで画像を扱うこと全般を云う。しかし、単にCGと云うと一般的なCAD(3次元CADも含めて)が線画を扱うのに対して、面に色塗りをしたり物体表面の材質感などを表現するものを示す事が多い。建築分野では、従来、手描きで描いてきたパースをCGにより作成出来るようになったり、またプレゼンテーションの手法としても利用されている。
 CGにより作成された画像は、デジカメのデータと同じように2次元のドットの集まりであるからペイント系のソフトを用いれば部分的な消去,修正も自由に出来る。

3−2.モデルの作成
 CGでは、見たい方向,モデルの色、材質などは自由に変更出来るが、そのためにはあらかじめモデルのデータが入力されていなければならない。モデルのデータの持ち方により表現方法が異なるので以下に違いを挙げる。

(1)ワイヤーフレームモデル
図形を線により表す。−面の情報が無いため隠線処理が出来ない

(2)サーフェイスモデル
図形を面により表す。(内部は空)−隠線,印面処理が出来る

(3)ソリッドモデル
図形を中身の詰まった立体として表す。−図形間の和,差,積の集合演算が出来る

 などがある。単純に考えると最後のソリッドモデルが実物に近くて一番良さそうであるが一番メモリーを使い計算時間も多くかかる。実際には使い道に応じて使い分けている。

 次にモデルの色,材質などを定義し、見る方向を決める。ここまでの事を行うソフトをモデラーと云い、今回はAutoCAD LT,3dfrm_IIIを用いる。(AutoCAD LTではワイヤーフレームモデルまでしか作成出来ないが、サーフェイスモデル風な絵は出来る。実際はDXFファイルを用いて3dfrm_IIIにデータを渡し材質などを決める。また、次のレンダリングソフトを用いレンダリングを行う。)

3−3.レンダリング
 3次元モデルを2次元のビットマップデータに変換する作業をレンダリングと云い、様々な手法がある。

(1)レイトレーシング法
光源から出た光がどの様に反射し、また屈折して目に届くかをシミュレーションする。

(2)ラジオシティ法
熱力学の考えを光の計算に応用したもので、レイトレーシング法では難しい自然で柔らかい間接光などをリアルに表現出来る。

今回は、レンダリングソフトとしてフリーソフトのPOV-Ray(http://www.povray.org/)を用いる。

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